皆さんは、海外の警察署って行ったことありますか・・・?
どうも、ネロです。
日本の警察だってなかなか訪れることはないのに、海外の警察を訪れたことがある人なんてなかなかいないですよね。
ところが、僕は旅行でパリを訪れた際に警察署を訪れたのです。
まあ、なんで警察署に行ったかっていうと、今回のタイトルにある通りiPhoneを盗られたからなんですが。笑
しかし、iPhoneを撮られてから警察に行くまでには様々なドラマがあったのでございます。
というわけで今回はパリでiPhoneを盗られた件を科学していきたいと思います!!
iPhoneがない!?
それは2012年の夏の日のこと。
強い日差しが照りつけるパリで事件は起ったのであります。
僕は友人のタケシと海老蔵の3人でパリに来ておりました。
その日はベタにエッフェル塔を訪れ、その後にエッフェル塔に隣接している公園でランチでもしようじゃないかという計画を立てていたのです。
パリにはおしゃれなパン屋さんがたくさんあるので、エッフェル塔の近くにあったパン屋さんで優雅にクロワッサンなんか買っちゃって僕らはランチを取ろうとしていたわけですね。
公園の芝生に腰を下ろして、「今日は最高のピクニック日和だね!!」なんてキャッキャッしながらパンを頬張っていると、そこに色鮮やかな服を着たジプシー風の若い女の子5人組が現れたのです。
彼女たちは少しクセのあるアクセントで僕たちに話しかけてきました。
「英語を話せますか?」
僕たちは少し戸惑いながらも一応「イエス」と答えます。
すると5人の中でも真ん中にいた女の子が、手に持っていたボードとボールペンを僕たちに差し出しながら言います。
「私たちは恵まれない子供たちのために署名を集めています。あなたの署名をもらえますか?」
突然の申し出に、僕たちはなんだか直感的にこれはヤバい何かなんじゃないかと感じました。
署名するのを躊躇していると、彼女達は異常なまでに食い下がってくるのです。その様子に僕たちの疑念は確信に変わり、絶対に署名してなるものか!という気持ちになってきます。
僕たちはきっぱりと彼女達に対して「ノー!」を連発するのですが、それでも食い下がってきて、真ん中にいた女の子は泣きそうな顔をしながら「プリーズ(お願い)」と言って身を乗り出して署名を懇願します。
彼女の必死な姿に僕たちは圧倒されますが、それでも「ノー」と突き返します。
そんなやり取りを何度か繰り返すと、ある時突然さっきまでの必死な様子とはうって変わって彼女達は「OK」とだけ言いソソクサとその場を後にしていきました。
「今の、なんだったんだろうな・・・」
僕たちはなんだかよく分からない彼女達の不気味さを振り返りつつも、食べかけていたパンを再び頬張ります。
しかし、それから数分後に事件が起きていたことが発覚します。
「iPhoneがない!!!」
突然海老蔵が声を荒げながらそう叫んだのです。
話を聞くと、バッグに入れていたはずのiPhoneがなくなっていると言うのです。
僕とタケシはそれを聞いて絶句。一体いつ、どうやってiPhoneがなくなったのか検討がつきませんでした。
でもどう考えても事件が起きたとするならば、さっきの彼女達が署名を求めてきた時に違いありません。
そうして僕たちが導き出したのは、しつこく署名をくれと言ってくる姿に気を取られていた隙に、バッグの中のiPhoneをかすめ取っていったのだろうというものでした。
その巧みな技に僕はある種の感動すらも覚えたのですが、被害を受けている海老蔵にはそんなことは言えません・・・。
「まだ遠くには行っていないはずだ!!」という刑事ドラマなんかでよく聞くセリフを吐きながら、僕たちは公園の中でさっきの署名集団を探し回ります。
しかし、彼女達を見つけることはできず、僕たちは途方にくれてしまいました・・・。
とは言え、iPhoneを取られた張本人の海老蔵からすればそれで簡単に諦めるわけにはいきません。
「警察だ・・・。警察に行かなきゃ!!!」
海老蔵のその一声で、僕たちは公園の近くにある小さな交番を目指したのでした。
伝えたい、この想い・・・!
僕たちは交番につくと開口一番「iPhoneを取られました」と言いました。
しかし、交番にいた警察官の反応はいまいち。
あれ、おかしいな。伝わってないのかな・・・?
なんて思いながら僕たちはもう一度言います。
「iPhoneを取られました!!」
今度は少し大きめの声で言いました。
すると警察官は面倒そうな様子で、僕たちにその時の状況などを聞いてきます。
警察官は実に面倒そうな様子ですが、僕たちからすれば伝えたくて仕方がなかったんです。どういう状況でどんな感じで盗まれたのか。そして犯人の女の子達の特徴ってやつを!!!
やはりiPhoneを取られた海老蔵としては、犯人の逮捕を切に願っていました。
海老蔵は警察に彼女達の特徴を説明します。
「彼女達は10代の女の子五人組で、皆肌の色は浅黒い感じでした・・・。それに服はものすごく色鮮やかでした。まるで・・・ラルク・アン・シエル!!!!!」
ラルク・アン・シエル・・・?え、なにバンド?ハイドさん?となってしまう方もいるかもしれませんが、勘の良い読者の方ならなぜ海老蔵がラルク・アン・シエルと言ったかお分かりでしょう。
ラルク・アン・シエルと言えばハイドさん率いる日本が世界に誇るロックバンドですが、バンド名のラルク・アン・シエルはフランス語で虹という意味があるんですよね。(僕ら世代ではこの知識はもはやコモンセンス)
とにかく犯人の特徴を伝えたくて仕方がなかった海老蔵は己の知識を振り絞り、唯一知っているフランス語を巧みに文章に織り交ぜながら犯人の特徴を伝えようとしたのであります・・・!!
その海老蔵の熱い姿に感化された僕は、「俺も何かしなきゃ!!」という想いに掻き立てられました。
おもむろにバッグからノートとペンを取り出すと、僕は絵を描き始めました。事件がどのようにして起きたのかを詳細に伝えるべく、言葉ではなく視覚に訴えようとしたわけなのです!!!!
ちなみに画力については皆さんご覧の通り。
僕は忘れませんよ・・・。僕の絵を見て警察官の口から漏れた一言を・・・。
「OH・・・」
(これまで生きてきた中で、ここまでもの悲しげな「OH」という一言を僕は聞いたことがありません・・・。笑)
そして警察官は僕たちの必死さを汲み取ったのか、穏やかな口調で話し始めました。
「ここでは君たちが受けた盗難被害を処理することはできないんだ。もしも被害届を出すのであれば、この交番ではなくもっと大きな警察署に行ってくれ。君たちが望むなら、その警察署までの行き方を教えるよ。」
そんなわけで、必死の訴えは虚しく、僕たちは別の場所にある大きな警察署にたらい回しになったのでした・・・。
警察署にてまさかの意気投合
電車に乗り、僕たちは教えてもらった警察署までやって来ました。そして受付的なところで「エッフェル塔近くの公園でiPhoneを盗まれた」と伝えたのです。
すると海老蔵は受付の警察官から被害届のような紙を渡され、「空欄を埋めてください」と言われたのでした。
その被害届には氏名や旅券番号などの基本的な情報に加えて、被害が起きた際の詳細を書き記す欄がありました。
担当の警察官がサポートしてくれながらその被害届を黙々と書き進めていく海老蔵。そしてそれを見守る僕とTKC。
僕らの行った警察署はなんだかボロい建物で、ものすごく閑散としている印象を受けたのを覚えています。そんな空間で被害届を書く友人を見守るというのは非常にシュールな時間だったのをよく覚えています。笑
しかし、そんなシュールな時間をぶち壊すようにして3人の白人おばちゃん観光客が警察署にやって来ました。
彼女達は非常にプンスカした様子で警察署にやって来たかと思うと、大きな声で「私の携帯取られたんだけど!!」とカウンターの警察官に話しかけていました。
それを聞いて思わずおばちゃん達の方を見てしまう僕たち。おばちゃんたちも僕らの視線に気づいたのか「あなた達も被害者なの?」と聞いてきました。
「実はそうなんだよ・・・」と海老蔵が答えると、おばちゃん達のテンションがいきなり爆上げになったのです。笑
盗難などの被害を受けた時に同じ被害を受けた仲間を見つけると、なんだか共感して盛り上がってしまうということを僕は学びました。おばちゃん達は仲間を見つけた!って感じで僕らにめちゃくちゃ話しかけてきましたからね。笑
「私たちはパリに来る前にロンドンに観光に行ってたの。ロンドンは最高だったわ、パリみたいに治安は悪くなかったし!なのにパリに来たら携帯は取られるし本当に最悪よ!パリなんてもう2度と来ないわ!!」と僕たちに熱く語りかけるおばちゃん。笑
閑散としていたはずの警察署は、気がつけば僕らとおばちゃんでかなり騒がしい雰囲気に。
ひたすらパリの悪口を言い続けるおばちゃんと、それに熱心に耳を傾ける僕たち。そしてそれを聞いて苦笑いの警察官。笑
エネルギッシュなおばちゃんたちの影響もあってか、被害にあった海老蔵も少し元気を取り戻したように見えました。
「パリに来てスマホ盗まれて警察に行って、同じ被害にあった人と盛り上がるなんてなかなかできない経験だよね。」なんて話をしながら、僕たちは警察署を後にしたのでした・・・。
まとめ
さあ、今回はパリでiPhoneを盗まれたエピソードをご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
パリのような大きな街では、今回紹介したようなスリや置き引きなどの盗難が非常に多いです。
特に、日本人観光客はターゲットにされやすいので注意が必要だということを肝に命じておきましょう。(実際のところ、パリの地下鉄では日本語で盗難を注意するように呼びかけるアナウンスも行われていますからね・・・)
そして、この盗難のエピソードを海外の友人たち(イギリス人、ドイツ人、ウクライナ人など)に話したことがあるのですが、みんな決まってこう言うのです。
「まあ、パリみたいな大きな街だと仕方ないよね・・・」
日本にいると、大きな街だから盗難があるというのは全くもって当たり前の感覚ではありませんが、海外では普通だったりするんですね。
海外の警察署に行って被害届を出すなんて、なかなかできない貴重な体験かもしれませんが、皆さんにはそんな体験をしないことを強くオススメして本日の科学は終わりにしたいと思います。
ということで、次回もお楽しみにー!!